2021年06月30日

規範なきひとがもたらすもの

2018年、中国・南方科技大学の賀建奎准教授(当時)は、
世界で初めてゲノムを編集した赤ちゃんを作り出したと主張し、
世界に衝撃を与えた。
のち、賀建奎(フ・ジェンクイ)さんに対し、
深圳の裁判所は、
ゲノム編集による遺伝子改変は違法医療行為だとして、
懲役3年の実刑、罰金300万元(約4700万円)の支払いを命じた。
賀建奎さんに協力した2名の科学者にも、
違法医療行為で罰金、
懲役2年の実刑と懲役1年6月(執行猶予2年)の実刑判決有罪判決が出た。
裁判所は「自己の名誉と利益のため」の行動であり、
「医療秩序を崩壊させた」と判断した。

やばい。
いじれるものはなんでもいじる。
これだって賀建奎さんの自己弁護かもしれないし売名かもしれない。
いずれにせよ、おおやけにしたからこそ話題になった。

植物やちいさな動物ではこういった事例はもはやあたりまえなのではあるまいか。
つねに飲料水、食糧の危機を内包する人類において、
それは善か悪かではかたれないところにいきついているのだろう。
いわば善も悪もすうっとむかしに提示されたまま。
善も悪もその姿、その意味するところのものはかわっているはずでなければいけない。

戒律がゆるい仏教のせいかもしれない。
共産主義とはいえそれは一部中枢の標榜するもので、
大中華は大中華のままである。

小室直樹さんの「危機の構造」をおもいだした。
規範なきひとがもたらすもの。
戦後の日本を分析した。
いままさに中国はそこにいる。
posted by 細野不巡 at 10:14| ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする