AFC 女子アジアカップ インド 準決勝
2/4 中国2-2(PK4-3)日本
東京オリンピックのなでしこジャパンは観ているのがつらかった。
この試合はそのようなことはなかった。
あきらかに質はちがっていた。
まず、熊谷紗希選手を攻撃陣にすえるべきである。
延長後半に同点にされたのは、
長谷川唯選手のクリアミスがあったからである。
わたくしはおもいだす。
おなじ光景を。
むかし男子の全日本チームがしばしば犯したミスである。
クリアするだけのボールをからぶりしてしまう。
致命傷であった。
なぜそれが起きるのか。
そうならないための対策をつきつめれば解決もしよう。
なでしこジャパン。
決定機にボールをうかしてしまうというミスをなんべんもくりかえしていた。
つまり、なぜ、ゴ-ルへのパスがういてしまうのか、
その理由がつきつめられていないからである。
蹴りかたに問題があるのか。
それとも芝生になれていなかったのか。
いずれにせよボールの下を蹴るからで、
要因は1つ2つくらいしかないはずである。
精確なキックは正確なトラップがあってこそ。
そこがつたない。
つまり。
基本中の基本がおざなりだということ。
スペースのつかいかたがなっていない。
男子チームのサウジアラビア戦をなぜ参考にしなかったのか。
ボールを遠くとばすための筋力をそなえること。
両サイドをドリブルでしかけること。
ペナルティエリアでの壁パスをつかうこと。
現代のサッカーは情報にまどわされるばかりである。
クリーンシート(無失点といえばいい)とか、
デュエル(1対1といえばいい)とか、
ゾーンディフェンス、マンツーマン。
用語や戦術論がひとりあるきする。
サッカーのルールはかわらないのに。
たたかうのはいまもむかしもひとりのにんげんでしかない。
攻撃のチャンスをうかがうのに、
ことばはひつようではない。
感じれば充分。
その眼をやしなうことのほうが大切なのはいうにおよばない。
2022年02月04日
2022年02月03日
ぎりぎり
黛は飛込むつもりでいた。
快速線に飛込むつもりでたっていた。
踏切は5ケ所だとおもっていた。
この時刻、快速線はだいたい15分おきにはしってくる。
黛はかんがえていたわけではない。
いつも利用する電車、だからおぼえている。ただそれだけのことであった。
「まいったなぁ。」
黛のとなりにひとがいて、まるで声をかけてきたもののようにいう。「まいったなぁ。」
黛はひとが去ってからにしよう、とおもった。
「まいったなぁ。」
おとこはもうしわけなさそうにいった。
あたまをぺこぺこしながら、下顎をだしたりひいたり。
なんだ、こいつ。じゃま。
黛はむっとする。
「それ、おいらのハンカチなんっす。」
なにをいっていやがる。
黛はおもう。
さっさとうせろ、このうすのろ野郎。
するとそのおとこ、すこし表情をこわばらせ、
「それ。」
といって顎で黛のあしもとをさした。
「ふまれてしあわせなんですって。」
わけのわからないことをいう。
黛はあしもとをみる。たしかにハンカチをふんでいた。
黛はすこしだけ恥じた。
おおげさにハンカチをふんでいた足をずらすと、あやまった。
「それ、ただのハンカチなんすっけど、つれがえらんでくれたんで。」
へへへ、
おとこはわらった。
「たすかりました。」
と、おとこはいった。
「よかった、よかった。」
黛は泣いていた。
たすかったのはわたしだ、と。
黛は泣いていた。
快速線に飛込むつもりでたっていた。
踏切は5ケ所だとおもっていた。
この時刻、快速線はだいたい15分おきにはしってくる。
黛はかんがえていたわけではない。
いつも利用する電車、だからおぼえている。ただそれだけのことであった。
「まいったなぁ。」
黛のとなりにひとがいて、まるで声をかけてきたもののようにいう。「まいったなぁ。」
黛はひとが去ってからにしよう、とおもった。
「まいったなぁ。」
おとこはもうしわけなさそうにいった。
あたまをぺこぺこしながら、下顎をだしたりひいたり。
なんだ、こいつ。じゃま。
黛はむっとする。
「それ、おいらのハンカチなんっす。」
なにをいっていやがる。
黛はおもう。
さっさとうせろ、このうすのろ野郎。
するとそのおとこ、すこし表情をこわばらせ、
「それ。」
といって顎で黛のあしもとをさした。
「ふまれてしあわせなんですって。」
わけのわからないことをいう。
黛はあしもとをみる。たしかにハンカチをふんでいた。
黛はすこしだけ恥じた。
おおげさにハンカチをふんでいた足をずらすと、あやまった。
「それ、ただのハンカチなんすっけど、つれがえらんでくれたんで。」
へへへ、
おとこはわらった。
「たすかりました。」
と、おとこはいった。
「よかった、よかった。」
黛は泣いていた。
たすかったのはわたしだ、と。
黛は泣いていた。
2022年02月02日
経験かならずしも功ならず 対サウジアラビア
2022年ワールドカップ カタール大会アジア最終予選
2/1 日本2-0サウジアラビア
おいおいまってくれ。
長友佑都選手への毀誉褒貶(きよほうへん)がひどすぎる。
後半23分に交代するまえの縦への攻撃参加は評価しうるけれど、
あの1回きりじゃないか。
最低でも3回はくりひろげなければならない。
が、できていない。
きもちのはいったプレイ、とひとはいう。
きもちのはいったプレイというのは、
じつは、演じることができる。
それにだまされる。
わたくしは不満である。
敵選手への寄せにしても、
半拍おくれているじゃないか。
それは迷いからくるものだとおもう。
かれの培(つちか)ってきた経験がそうさせるのではあるまいか。
将棋のコントで、
先手の棋士が、かんがえにかんがえて、
駒をうごかすことなく、
「負けました。」
さきが読めることを皮肉ったわらいばなしである。
経験はかならずしも功ならず。
おなじような状況にでくわしたとき、
どうするべきか。
判断が半拍はやくなるだけで,
その可能性が増すにすぎない。
次戦先発は中山雄太選手にするべきである。
2/1 日本2-0サウジアラビア
おいおいまってくれ。
長友佑都選手への毀誉褒貶(きよほうへん)がひどすぎる。
後半23分に交代するまえの縦への攻撃参加は評価しうるけれど、
あの1回きりじゃないか。
最低でも3回はくりひろげなければならない。
が、できていない。
きもちのはいったプレイ、とひとはいう。
きもちのはいったプレイというのは、
じつは、演じることができる。
それにだまされる。
わたくしは不満である。
敵選手への寄せにしても、
半拍おくれているじゃないか。
それは迷いからくるものだとおもう。
かれの培(つちか)ってきた経験がそうさせるのではあるまいか。
将棋のコントで、
先手の棋士が、かんがえにかんがえて、
駒をうごかすことなく、
「負けました。」
さきが読めることを皮肉ったわらいばなしである。
経験はかならずしも功ならず。
おなじような状況にでくわしたとき、
どうするべきか。
判断が半拍はやくなるだけで,
その可能性が増すにすぎない。
次戦先発は中山雄太選手にするべきである。