十勝三股 (とかちみつまた) と帯広をむすんだ。
士幌線 黒石平(くろいしだいら)
黒石平は乗降場であった。
糠平側に電力所前という乗降場があって、
そちらは停車しない。
黒石平にはいつもとまった。
おりるひとはなく、
のるひともいなかった。
兄貴が帯広の高等学校にかよっていたころ、
同級生が、
黒石平からかよっている、
ときいたことがあった。
親近感をおぼえた。
発電所づとめのかたがいらっしゃったのだろう。
ディーゼル車からはみえないけれど、
黒石平ちかくには、
ダムがあるはずで、
ちいさいけれどきれいな貯水池にアーチ橋がかかっていた。
そこをほんの数秒でわたってしまう。
水面が、
深い青か、
深い緑か、
わすれてしまったが、
うつくしさに、
ハッとしたのをおぼえている。
その神秘性をともなって、
黒石平はあたまからきえない。