十勝三股 (とかちみつまた) と帯広をむすんだ。
士幌線 上士幌(かみしほろ) 5
上士幌は母親の郷里である。
わたくしは、
とにかくちょろまつであった。
兄貴はおっとりしていたらしい。
胃腸に難をかかえていたようである。
ちゃかちゃかする弟ではあるが、
いつも、
コロンとしたうんちで、
あつかいやすかった、
と母親は述懐した。
おむつをパラパラしただけでうんちをはらえたという。
そうくりかえされると、
ちびっこにとってもほめられたようでうれしかった。
母親は化粧品のセールスレディになるわけであるが、
十勝のいち町村で、
できる仕事はかぎられる。
おさないこどもから、
めをはなすわけにもいかない。
苦慮のすえの選択であったのだろう。
いざ仕事となるも、
こどもをつれて接客する。
こどもはすぐあきる。
かえりたいとぐずる息子には、
手をやいたにちがいない。
そののち化粧品会社からいくたびと表彰をうけるまでになる。
母親ながら、
ご立派、
とたたえたい。