十勝三股 (とかちみつまた) と帯広をむすんだ。
士幌線 士幌(しほろ) 2
その旅館は七面鳥料理で有名であった。
七面鳥は独特な鳴きかたをする。
声をあげると七面鳥は鳴いた。
たまごもにわとりよりひとまわり大きい。
いまでこそ、
クリスマスに珍重されるが、
そのころは、
折詰にはいっている唐揚げをたべるのがせいぜいであった。
ある日、
裏の飼育場に野良犬がはいって七面鳥を襲う。
被害はあきらかではない。
ただ、
おどろいたのは、
襲ったであろう野良犬が、
通りの電柱につるされていた。
そこには、
この犬の飼いぬしでてこい。
札がつるされていた。
一代でその旅館を、
七面鳥料理できずいた先代。
いきものの屠りかたに、
手練れをおもわせた。
なによりも、
おとなのきびしさをかいまみた。