十勝三股 (とかちみつまた) と帯広をむすんだ。
士幌線 北平和(きたへいわ)
59611。
19671。
ともに蒸気機関車である。
十勝を最後に活躍した。
士幌線で蒸気機関車の客車牽引列車にはおめにかかったことがない。
貨車の牽引ばかりである。
蒸気機関車が客車を牽引する列車に乗ったのは、
根室本線で、
池田からの帰り、
帯広までではなかったか。
こげた茶色の客車である。
根室本線と並行する通信線電柱をそれまでみたことがなかった。
鉄橋にも通信線電柱がつらなり、
さすが根室本線だけはある、
と納得したおぼえがある。
蒸気機関車からのすすが目にはいったのもこのときである。
ディーゼル車しか乗ったことがなかったので、
発車のさい、
連結器の音がガチャンガチャンとつづけてきこえた。
すこしおどろいた。
突発音がにがてで汽笛を発する蒸気機関車にはちかよりがたかった。
耳に指で栓をする。
汽笛のたびに指をあてる。
が、
かならずひと呼吸おくれる。
士幌駅で貨車のいれかえをみていた。
駅のはしに引込線があり、
貨車を出し入れする。
発車のたびに汽笛を発した。
ひきこみ線の横は倉庫で、
ちびっ子たち禁断(遊んではいけない場所)の遊び場になる。
汽車通学する子たちがいた。
それまでは汽車通学している子がいることすらしらなかった。
みな北平和でおりる。
農家さんちのちびっこたちである。
スクールバスの範囲におさまらない地域の子たちであったのだろう。
みな顔見知りであった。
そのころ、
3つ年下の顔見知りが列車に轢かれた。
線路でよこになっていたという。
くたびれてよこになっていたのかな。
線路からつたわる、
カタンコトンの音がここちよかったのかな。
いまでもおもいおこす。
士幌のつぎは北平和。
乗降場である。
無人駅でもある。