呼びすて
この邦ではなぜこうも呼びかたに違いがあるのだろう。
呼びすてという。
ひとの名をすてる。
この奇妙な表現から、
何者かが何者かを見くだすだけなのではないか、と類推する。
ニッポンにおける身分制は思想ではない。
見せしめが概念化しただけで、
単なる外見による差別でしかないのではなかろうか。
外見。
それだけで見極められる。
話し言葉。
決定的である。
なぜ身分にこじつけたのか。
なんのことはない。
上に立つ少数の者たちがかれらの意に従わせるためでしかない。
そうした者にとって一番の厄介は、
従わざる者。
そしてそれを扇動する者である。
ひとは生き残る者だけが語り継ぐ。
あたりまえだ。
どのように考えてみても死す者たちは語り得ない。
時代は変る。
が、
ひとは変り得ず。
ただ、
世代が変れば、
記憶がとだえれば、
また、
似たようなことを繰り返す。

