2025年12月16日

人を消す

奇抜といおうか、なんと迷惑なことであろうか。
その男には能力があった。

人を消してしまう。
たとえば、
子供と手をつないでいる親子。
その脇をタバコを片手にもつ女がいた。
「・・子供の顔にあたるじゃないか。」
その男、
「消えうせろ。」
あたまのなかでつぶやくと、
シュッと女は消えた。

つみなことに、
その男、
いっさい
ふりむかない。
女が消えたことはしらない。

かれこれ15,000人はその男のせいで消えている。

メディアは失踪については報道しない。

その男は、
ついぞ、
おのれの能力にはきづけなかった。



posted by 細野不巡 at 11:39| 掌編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする